四コマ映画『ムーンライト』




「この子らを世の光に」は社会福祉の父と呼ばれる糸賀一雄の言葉。

この子ら(に)世の光(を)
じゃなくて
この子ら(を)世の光(に)。

「障害児に光を当ててあげよう」ではなく、
「障害児の光を世の中に当てよう」という考え方。

この映画の主人公は、貧困層の黒人でセクシャリティ的にも未だに後ろ指を刺されるもの。

本当はなんの困難でもないはずのこの3つ(貧困は困難ですね…)だけど、社会の無理解や堂々とした差別感情によってただ普通に生きるということを阻害されてしまう。

映画では、主人公シャロンを年代別に子供、高校生、大人のパートに分けて3人の俳優で演じ、一人の男性の半生を静かに描いている。

少年期のシャロンは、家にはシングルマザーで麻薬中毒の母がいるがネグレクトでさらに学校に行けばいじめられる。

ある日、いじめられて廃墟に隠れているところをあるおじさんに助けられ、その後困った時など助けてくれる存在になってくれる。
シャロンがおそらく初めて、彼の家の真っ白でふっかふかの枕とベッドで眠る姿が愛おしくも悲しい。
この人物、シャロンにとって父親がわり、そして生きる道しるべの人物となる。

高校時代のシャロンもまた、学校でのいじめは続き、母の麻薬中毒も強まっており、自分のバイト代も母の麻薬を買う金として使われてしまう。

そして、大人になったシャロン。
華奢だった体はアニメのような筋肉隆々になり、周りを威嚇するように装飾品をつけ、高級車をステレオガンガンで走らせる。
が、その目だけは、かつての弱い、常に怯えたような目のまま。

***

衝撃なのはこれのほとんどが実話だということ。
主人公に起きることは全部、原作者か監督に起きたこと、だそう。
(原作者の母も、監督も母も麻薬中毒であった)
実際に起きた(つまり現在も起きている)衝撃的なエピーソドの連続だけど、直接的な描写はなるべく避けて、ひたすらに美しい映像の中で意外と淡々と物語は進む。
こんなに過酷なストーリーなのに「もう一度見たい」と思えるのは映像が美しいからかもしれない。
この世界にもう一度浸りたいと思える。

****

シャロンの父親がわりになるフアンという男がかっこよくて、いちいち名言を言ってくる。
「自分の人生は自分で決めろ 周りに決めさせるな」はわかりやすい名言だけど、
本当に何気ないし、
全然名言のつもりもなかったと思うけど
僕がぐさっときたのは
「ここで何してる」。
あ、俺ここで何してるんだろと思っちゃうし、
そういえば「ここで何してる」ってあんまり言われたくない。。
おそらく大人シャロンも昔フアンに言われた「ここで何してる」という言葉が常に自分を追いかけてきてるんだと思う。

***

話が個人的であればあるほど普遍性を持って観る人の心に直接刺さってくる。
それはつまり、住んでる場所が違おうと体の表面の色が違おうとセクシャリティが違おうと、人間であれば何が悲しくて何が嬉しいかは同じだということ。

本当はこんな映画なければよかった。
こんな映画が生まれない世の中ならよかった。
「観てください」なんて言わなくていい世の中ならよかったのにね。













四コマ映画『さざなみ』

映画『さざなみ








邦題批判ブームが続いていますね。
どうせならいい邦題にはちゃんと褒めて欲しいです。

この「さざなみ」はすばらしい邦題。
原題は「45 Years」。

主人公の夫婦が結婚45周年なので、そのまま。
向こうのタイトルってほんとシンプルですね。

週末に結婚45周年パーティーを控えた熟年夫婦が主人公。

ある朝、夫の元に手紙が。
50年以上前に付き合っていた恋人の遺体がスイスの山で発見された、と。

夫のその恋人がスイスで山登りをしていたら、恋人だけ滑落しちゃってそのまま遺体は発見されることはなかった。
そして、その後今の奥さんと結婚しました。

妻はそんなこと全然知らなかったし(あ、知ってたかも)、夫もほとんど忘れていたんだけど、突然の知らせに夫の思い出がスイッチ発動。

物置から昔の日記や写真を引っ張り出して思い出に耽りまくり。

ひっっっっさびさの夫婦生活の直後にも「彼女と結婚するつもりだった」なんてこと言っちゃう始末。


妻は心の中で「ふっざけんじゃね~~~~~」ってずっと思ってるんだけど、それを表に出して今更この結婚生活にヒビを入れたくもない。

名女優シャーロット・ランプリングがそのあたりの演技が上手い!
目、怖いもん。
(この演技でオスカーノミネートされました)

「私めちゃくちゃ怒ってるし悲しいし不安だけどそれを表現したりはしません。
あなたはそうやって堂々と彼女の思い出にふけって結婚生活ぶち壊そうとしてるけど、私はそういうことしません。」
っていう表情が上手いし、怖い。。

結局は夫に不満を口にするんだけど、夫の方はイマイチ意味がわかってない。
「昔の話じゃん。。」ってな感じ。それにまたワナワナする妻。


しかもその彼女の写真を妻も見ちゃって、そこで衝撃の事実を目撃。。

妻の心はさざなみのようにザワついたまま、それは永久に止まらない。

そして、45周年パーティー当日を迎えるのです。
あ~怖い、あ~怖い。




四コマ映画『フレンチ・ラン』

映画「フレンチ・ラン







 これぞ正しい90分映画。


どうせ知らない人たち(主演の二人知らなかったもので、、)がパリを舞台に走ったり殴ったり困ったり多分誰か死んだりして85分後に事件解決して、「全くお前って奴は!ハハハッ!」って肩でも組んでパート2を匂わせながら知らないラッパーの曲がエンドロールで流れる映画だろうなと思っていたら、

本当にそんな感じの映画でした。


でもいいんです!
正解なんです!

かっこいい凸凹コンビがちょっと笑いも挟みつつ対立しあったり協力しあったりして、「スリ」というポイントも抑えつつ、サブキャラの女性も可愛くて、アクションもほとんどスタントなしでリアルにやって、それだけだと流石に映画として軽すぎるから、実際の世相を反映させたテロに怯えるパリを舞台に、ツイッターで過激なことを呟かれるとすぐにそれに煽られる民衆への風刺も入れつつ、陰謀と裏切りのこんがらがった事件を凸凹コンビが解決したら、あっという間に時間は過ぎて90分。


これだけ楽しんでも90分しか時間経ってないんだからお得お得。

大好き、90分映画。



映画「フレンチ・ラン





四コマ映画『ヨーヨーマと旅するシルクロード』

ヨーヨーマと旅するシルクロード






シルクロードとは、ヨーローッパ大陸とユーラシア大陸をズバッと横断する陸続きの通商路のこと。

ヨーヨー・マの「シルクロード・プロジェクト」は、シルクロード沿いの民族音楽の音楽家たちを集めて、それぞれの民族の差異、共通項を見出しさらに新しい音楽作り演奏することで、それぞれの伝統音楽を残していこうという、文化人類学的な意味合いで始められた。

このドキュメンタリー映画も冒頭は「シルクロード・プロジェクト」の成り立ちや過程を追っているが、途中から演奏家一人一人にスポットがあてられていく。

イランで革命が起きて家族全員死に自身はヨーロッパを何千キロも歩いて逃げた過去を持つ、イランのケイハン・カルホール。
内戦続くシリアから亡命したキナン・アズメ。
文化大革命で国外に出させるために両親に音楽を学ばされたという中国のウー・マン。
などなど。

故郷を離れて国境を越えて活躍する音楽家たちの、どこにいても“外国人”である自分のアイデンティティを再構築する姿を描いている。

神妙な気持ちにもなるけど、当然ながら世界的な音楽家たちの名演も素晴らしい。
特に最後の全員によるアンサンブルが民族音楽の結晶としてのカタルシスに満ちていて大感動です。

北欧旅行フィンツアー

北欧旅行フィンツアー様のスタッフ似顔絵を描かせていただきました!

https://www.nordic.co.jp/company/staff/ 

皆さんきっと個性的な方々だろうと趣味や好きな物をお聞きしてそれと共に描きました。
結果クマ使いになってしまった方も。

北欧行くなら?
(せ〜の)
フィンツアー!