8月2日 たぶん少しならいいんだと思います

「借りぐらしのアリエッティ」観ましたよ。



イカ、まだ観てない人は読まない方が良いとオモイマス。







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動きとか表情とか絵とかはすばらしかったです。
(ゲド戦記とは大違い)



この作品、
悪く言うのが気がひけるくらいに「健やかな映画」でした。


だから、
正直いろいろ不満はあるから
「あそこがああだったなら」「もっとああだったなら」「そもそもちゃんと返していたなら」と
思うんですけど

この映画が
あまりにも健やかなもんだから

ただ単に『本当にこういうことがあったんですよ。世界には多くの人が気づいていない不思議がたくさんあるんですよ。』

って言いたいだけなような気もするので、


だったらストーリーやキャラクターに奥行きが感じられなくても
「まあしょうがないよね、実話なんだもん。実話にエンターテイメント求めてもねえ」と思います。



で〜も〜、
もっとワクワクする作品になれたんじゃないかと思うし、
「魔女宅」や「トトロ」のような自分の思い出として記憶に残るような作品になれたんじゃないかな〜
と思ってしまいます。

しかしこれはたぶん大人の勝手な欲望なんですよ。
子供にはきっと十分素晴らしいんだと思います。





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全然何も返してないのに
「借りてる」と言い切っているところに
たしかに「強気だね!」って思うんですけど、


たぶんこれは
意図して「返してない」んだと思いますよ。


借りたっていうんだったら、何かしらを返そうよ!
っていうのは
僕も含めた大人たちが「物語の整合性」を求めてるから
そう思っちゃうだけで。

「借りてる」のに「返してない」ってえのは
制作中から問題にはなったはずですよ。

それでも、「返さない」ことに決めたわけですよ。



じゃあ「返さない」ことで何を言いたいのか、ってことですよ。



それは知らないけどね。

「返せ返せていうなら、じゃあ人間は自然や他の動物からの恵みを返してますか?」とかいうことなのかも。
「死ぬ時に全部返しますよ」ってことかも。
「そもそも宇宙はすべてでひとつなんだから、借りるもへったくれもないんですよ」ってことかも。



それはわかりませんけど、
ストーリー的に、返しておけば誰からもつっこまれなかっただろうに
わざわざ返さなかったのには
何かしらの意志がきっとあったのさ、きっと。