6月2日 撤回メモ

超光速が撤回された。

6月2日読売新聞の記事。




ニュートリノ「光より速い」撤回へ
 
読売新聞 6月2日(土)9時10分配信

 素粒子のニュートリノが進む速度について、名古屋大などの国際研究グループ「OPERA」は、昨年発表した「光より速い」との実験結果を修正する方針を決めた。

 指摘されていた実験の不備を解消したうえで先月、再実験し、ニュートリノと光の速さに明確な差は出なかったという。事実上の撤回で、3日から京都市で開かれるニュートリノ・宇宙物理国際会議で報告する。

 OPERAは、スイス・ジュネーブ近郊の欧州合同原子核研究機関(CERN)からニュートリノを飛ばし、約730キロ・メートル離れたイタリアの研究所までの所要時間を測定。ニュートリノが光より60ナノ秒(ナノは10億分の1)早く到達したという結果を、昨年9月に発表した。「光速は超えられない」としたアインシュタインの相対性理論(光速度不変の原理)を覆すのではないかと注目された。 





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ニュートリノ、「超光速」撤回 名古屋大などが正式に発表 再実験で判明
産経新聞 6月8日(金)10時19分配信
 素粒子のニュートリノが光より速く飛ぶとの実験結果を昨年9月に報告した名古屋大などの国際研究チーム「OPERA」は8日、測定精度を高めた再実験の結果、ニュートリノの速度は光速と誤差の範囲で同じだったとして、「超光速」の当初報告を撤回した。京都市で開かれているニュートリノ・宇宙物理国際会議で正式に発表した。

 「超光速粒子」の報告は、質量を持つ物質は光速を超えないとするアインシュタインの相対性理論に反するため世界的な論争を呼んだ。科学者の多くは当初から懐疑的だったが、研究チームの撤回表明で論争は終結する見通しとなった。

 実験はスイス・フランス国境の欧州合同原子核研究所(CERN)から発射したニュートリノを、約730キロ離れたイタリアのグランサッソ地下研究所で検出。当初は光より60ナノ(ナノは10億分の1)秒早く届いたと報告された。

 速度を測定するため、GPS(衛星利用測位システム)で時刻を合わせる時計を発射側と到着側に計3台設置。このうち到着側で地上と地下の時計をつなぐ光ケーブルの接続不良や、ニュートリノ検出器の精度が不十分だった可能性が見つかり、今年5月に再実験を行っていた。

 再実験では光ケーブルの接続を十分に確認した上で、地上と地下の時刻合わせを1ナノ秒単位で正確に監視。ニュートリノが検出器を通過する時刻も、誤差を従来の25分の1の1ナノ秒に抑えて確認できるように装置を改良した。

 超光速粒子をめぐっては昨年11月、同じ研究所の別の実験チームがノーベル賞学者の見解をふまえて反論したほか、今年3月には検証実験で否定。光ケーブルの接続不良問題も浮上したことで、超光速は誤りとの見方が広がっていた。