10月18日 ターナーの汽罐車

経堂にはヒモ売ってなくて、やばいヒモを求めて都内回遊するしかないと思っていたら新宿ですぐ買えたので、そのままターナー展へ。
プラス500円しますけど、美術展行ったら必ず音声ガイド借ります。

文字読むの面倒だし、全部の絵をゆっくり見ると足痛くなるし、音声ガイドなら聞いてりゃいいし、ポイントの絵だけじっくりみてあとは「ふ〜ん」てな感じで通り過ぎても後悔ないし。



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僕が「絵っぽい仕事に就きたい」と思った大学4年の時に、図書館行って美術書をゴッソリ借りました。
好きな画家を決めてちょっと研究してみようと思いまして。

まず「よし、お前が好きだ」と決めたのがターナーでした。
(その次にクレー

デザイン性の高さからクレーの方を調べはじめましたが、やはりターナーもずっと好きでした。


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今回のターナー展で面白かったのは、ターナーが非常に野心家だったという点。
過去の大画家たちみたいに自分も名声を手にしたい!という気持ちを隠さなかったようです。

帆船を妙に細密に描いていたのは軍人から「なんとか号のマストの本数が違う!」とか言われないようにするためだったみたいだし。

多くの被害者を出した海難事故で自国の不備を責めるような絵を描きはじめたけど、「あんまり体制を批判すると大衆に嫌われるかな〜…」っつって未完のまま終わったり。

自分の芸術性を追求したい!でも売れなきゃ意味がない!
相反する二つのバランスを取りながら27歳という若さでロイヤル・アカデミー会員になるほどの成功を収めて、その後も売れ続けた。

なんか現代のポップス歌手のよう。


結局、晩年は細密な表現は少なくなり画面はほとんどぼんやりとした色の構成だけになって、「一応大衆へのサービス」ってことで個展会場で建物や人物などを描き入れるだけになったんだって。

200年も前の画家だけど、 現代にも通じる人間くささをもった人だったんだってことがわかって面白かったです。なおさら好きになりました。



この自画像もそうとう美化して描いてあるらしいです。
詐欺画像みたいなもんですね。