映画『かぞくへ』

主演の松浦慎一郎さんの実体験を元した物語ということで、かなりリアルに肌がヒリヒリするような感覚があります。
物語がミニマムであればあるだけ逆に普遍性を持って多くの人に共感させられるというのがこの映画でわかります。
たぶん海外の人も共感できるだろうし、遠い日本の若者の話に共感できてることに驚きもあったでしょう。
(すでに海外で多数受賞)

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俳優さんの演技が素晴らしいです。特に主演の松浦慎一郎さんの表現力が凄くて、電話に出る出ないのシーンが多いんですがその都度違うし、夜のランニングで婚約者からある一言を言われた時の表情なんてもう見てらんなかったですよ、辛すぎて。。

婚約者の佳織のキャラも面白かったです。
期待される女性像とか物語を動かすための便利なキャラなんかではなく、多面的でリアルでした。ケンカのシーンなんて怖すぎて最高です。。
ずっと一番真っ当なことをしている役のはずなのに、印象としては一番猛獣的でした。。面白い。。

主人公とその親友は洋人は長崎県の五島列島で育ったという設定なんですが、映画では五島の情景は出てこない。でも、僕にはこの二人が五島の海岸でじゃれ合いながら走っている姿がイメージされてました。
洋人を演じた梅田誠弘さんが五島の空気感をずっとまとっていたからなんだと思います。


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なんか観終わった後も勝手に登場人物たちの心情を「きっとあの時はこう思っていたんだろう」とか「実はこうことを期待してたんだろう」とかを考えてしまってます。。
それくらいに登場人物がちゃんと実在する映画でした。

四コマ映画『かぞくへ』