四コマ映画『レディー・バード』

2018年第90回アカデミー賞作品賞・監督賞・主演女優賞候補作。  レディ・バード(2018年) 

94分だけどものすごい情報量!
テンポが良くてバンバン話が展開して行くし、各キャラクターとの関係も、それぞれのキャラ自体も1年という期間の中で変容していく。

で、このスピーディーさなのに観客が置いていかれないのは、母と娘を演じる主役2人の名演と、監督のコメディセンスのなせるわざ。

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 同監督の前作『フランシス・ハ』も名前の話だったけど、今回も名前がテーマ。
 前作が「自分なんてこんな名前でいいや」っていう投げやり感がありましたが、今作はかなり名前というものにこだわってます。

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 巣立ち、受験、うるさい母親、失業中の父親、優等生の彼氏、ちょっとダサい親友、イケてるグループ、初体験、養子の兄とその彼女……、などなど要素が多い映画ですが、

最大のポイントは「母と娘」でしょう。

 くっどくっどとチョー回りくどい嫌味なことを娘に言っちゃう母親を演じるローリー・メトカーフが素晴らしい。
この演技でいくつか助演賞とってますね。
そりゃそうさ、なんでオスカー候補にならなかったんだっつー話。
こういう母親像ってものすごく嫌いなので下手すると最悪になるとこだったけど、ローリーさんがこの母親に多面性を見せたので豊かな人間として映りました。

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 主役のシアーシャ・ローナンが17歳に見えない問題には目を瞑りまして。。
(本人は撮影時22歳。老け顔なのね)

『ブルックリン』でのカリスマ性が記憶されていますが、こんなにコメディセンスのある人だとは。。 こちらも痛いキャラだけど、嫌悪感なくむしろ強い親近感で最後まで気持ちを寄せて見ていられます。