映画『斬、』

斬、(2018年製作の映画) 上映日:2018年11月24日 / 製作国:日本 / 上映時間:80分




「痛快さ」や「明快さ」の前では「正しさ」ってのは本当に弱いものだと感じる映画でした。。

映画の中で、池松壮亮がまずは飲みニケーションで事件を回避しようとするんだけど、
そんな主人公はヒーローになんないもんね。。
大衆が求める痛快さも明快さもないんだよなぁ。。

毎回事件が起きる前に敵と飲みニケーションで事件を回避していく主人公。。
人気でないわなぁ。。

ってことで『斬、』でも、そのあと結局は大殺戮が始まります。。
し、確かに興奮する。。


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四コマ映画『斬、』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2177

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セカイ系でもあるのかな。
世界では大変なことが起きてる。でも結局個人は腕の長さの半径でしか対応できない。
その範囲を超えて存在感アピールしたいとなると、〝強さ〟に頼るようになるんだろうか。

本当にタイムリーなテーマだし、あえてセリフを現代の言葉遣いにしたのもテーマと合致。



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先日、感動ミステリー邦画を観て、
人の死があまりにも軽くて涙スイッチとしてしか扱われていなくて、本当に呆れてウンザリしていたので、、
この 『斬、』観て、恐怖に震えながらも安心しました。

こんなにもちゃんと人間の尊厳を描こうとする人がいるんだと。


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80分という上映時間だけど、
観終わった後の疲労感は140分程度。

あと、受け取ったテーマの重さで頭の中の圧迫感も140分程度。。


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刃が歯に当たった時の、史上最高に嫌な音とか、効果音はそれこそ効果的でした。

が、音楽は僕の好みではなかった。。

あと、手持ちカメラがものすごくブレるんですが、、
それが来るたび

「あ、カメラマンがいるんだ」
「そうだこれは撮影だ」
「森の中で大変そうだな」
「茂みに入るときは草鞋だと怪我するから靴履いてるのかな」
「昔は靴なかったから破傷風で死ぬ人も多かったんだろうな」
「破傷風って本当に怖い病気なんだから昔も草鞋じゃなくて足をきっちり覆う長靴的なもの履いた方が良かったよな」
「でも草鞋履いてたってことは昔の人は皮膚が分厚かったのかな〜」

とか映画とは全然関係ないことを考え始めちゃったりしました。

撮影隊の存在を感じさせない撮影の方が没頭できたと思います。
わざとなのかな。


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四コマ映画『斬、』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2177