映画『THE GUILTY/ギルティ』










映画『THE GUILTY/ギルティ』(2018年製作の映画)

緊急ダイヤルにかかってきた電話からの音声だけで誘拐事件を解決するぞ!
という映画です。

画面は緊急ダイヤルの部屋のみです。
カメラは絶対に外を写しません。

電話の向こうの声の主がどんな人物なのか、
今どういう状況なのか、
どこへ向かっているか、
音の情報でしか予想できません。

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四コマ映画『THE GUILTY/ギルティ』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2193

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「聴覚から得られる情報はわずか11%」だそうです。

絶望的に情報が得られない中で一本の電話を頼りに誘拐事件を解決したい!と思っている男が主役です。

何を書いてもネタバレ感があるので、、あまり書けませんが。。

おもろしかったんですよ!!!
アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表作です。

「これだったらオスカー獲れるんじゃね?」ってことでデンマークの映画の中からこの一本が推されたわけです。

「ディスプレイだけで!」とか「音出しちゃだめ!」とか「見ちゃダメ!」など、強めの規制をすることでエンタメ性を増す映画が近年増えてきておりますが、
そのラインの映画たちよりはだいぶ踏み込んだところへ行っていると思います。

あぁネタバレ厳禁!

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四コマ映画『THE GUILTY/ギルティ』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2193

『サンセット』




アウシュヴィッツの絶滅収容所の内部を詳細に描いた『サウルの息子』(2015)の監督ネメシュ・ラースローの新作『サンセット』

四コマ映画『サンセット』→http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2187

サウルの息子』では、FTS(ファーストパーソシューティングゲーム)のようにほとんどカメラは主人公の一人称視点です。
カメラが主人公サウルに近いので、観客はサウルが見たものと同じものを観ることになります。

体感ゲームのようにアウシュヴィッツ絶滅収容所の内部を動き回るので、それはそれは地獄のような時間なわけです。。
絶滅収容所で起こるあんなことやこんなことや、実際にあった集団蜂起の様子など生き残った証言者へのインタビューをもとに正確に再現しているので、客観的に「こんな大変なことがあったんだね」と教科書的に知るのではなく、体感してしまうのです。。

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新作『サンセット』でもカメラは主人公の女性イリスに近い近い。。また地獄へのジェットコースターに乗せられたような気分になります。

が、今回は1913年のブダペストの高級帽子店が主な舞台ですので、前作に比べたら相当にゴージャスな画面です。
しかもドキュメンタリー調だった前作より、かなりドラマが重視されてるし、人物も多いし、ストーリーも起伏が激しいです。

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しかしネメシュ・ラースロー監督はそんなに親切な人ではありませんよ。。
話がものすごくわかりにくい。。それは主人公イリスの状況と同じです。イリスには「兄を探す」というメインの目的があるんですが、事件に巻き込まれたり自分から事件の中心に行ったりして、、
いろんな人が出てきていろんな事件がおこりながらなんとなく「この人はこういう人、あの人はああいう人」と認識して行きます。イリスも同様に悪夢のような数日を生きていきます。

サッと画面に現れてなんか意味深な一言を言ってサッと画面から消えていく人ばかりで、何が起きているのか付いていくだけで必死。
でも美術が豪華で緻密なので、背景に写っているものの情報量はとても多いです。
どういう対立構造なのかがわかってきたところで、さすが『サウルの息子』の監督!と恐れおののく展開が。。

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舞台は1913年のブダペスト。第一次世界大戦の寸前。戦争が勃発して社会が混乱しているってことは、人の心も混乱しているということがわかってきます。
この映画では高級帽子店が舞台となっていますし、イリスも帽子をかぶっています。
人は高級でゴージャスな帽子をかぶることで「都会的な洗練された平静さを保っているように見せている」。
しかしその帽子の下には、「統制しきれない力がうごめいて闇と破滅へ連れていく」と監督は〝帽子〟というメタファーについて説明しています。

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監督は、『サウルの息子』を撮る前から「女性についての映画を作りたい」と考えていたとのこと。
ラストシーンでイリスがある場所にいるのですが、その場所のことを考えると、この映画が凡庸な「女性映画」などではないことがわかります。

『サウルの息子』が戦争の行き着いた先、であるなら、『サンセット』は戦争・文明破壊への入り口。

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四コマ映画『サンセット』→http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2187

才能&能力無駄遣い!最高の頭脳が最低の状況に!『いつだってやめられる』シリーズを紹介!

優秀な頭脳を持ちつつも経済危機で職を失った教授たちがリベンジを果たすべく奮闘する『いつだってやめられる』3部作
イタリア本国で大ヒットとなり、日本でも公開されると話題になり立て続けに3作品が上映されました。

この『いつだってやめられる』3部作が1月9日に3作同時にDVD発売&レンタル開始になります。〝オタク教授〟たちのスリルと爆笑の名誉挽回劇を紹介します!

『いつだってやめられる』シリーズの見所とは!
【不遇な教授たちのリベンジ】……主人公は全然ヒーローっぽくないオタク教授たちですから、彼らに共感したり同情したりして、ついに大きなミッションを達成する時には爽快感が倍増です。

【スピーディーな会話と派手なアクション】……物語のテンポが良いですし、会話の面白さで笑わせてくれる上質なコメディ映画。さらにカーアクションや爆発などが派手で観客を楽しませることを追求しています。

【キャラクターの面白さ】……キャラの描き方がうまいのでひとりひとりに親近感が湧いてきます。長期間に渡って共に撮影してきた俳優たちの息のあった演技も大きな見所です。

【名作映画のオマージュ】……監督自身が「自分が好きな映画のコラージュのような映画を撮りたかった」と言っているように、いろんな映画のオマージュが隠されていますので探してみてください!


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2018年映画ベスト10 日本映画



2018年映画ベスト10 日本映画

❶ 寝ても覚めても
❷ 斬、
❸ 愛と法
❹ 体操しようよ
❺ 万引き家族
❻ かぞくへ
❼ カメラを止めるな!
❽ 菊とギロチン
❾ 勝手にふるえてろ
➓ 焼肉ドラゴン



❶ 寝ても覚めても
主人公朝子の怪物性とシーンひとつひとつの完成度にやられました。。
原作小説もまた怖い。。
そして同監督『ハッピーアワー』も円盤入手。上映時間5時間17分ですよ。でもめちゃくちゃ面白い。
どれも最高!怖い!最高!


❷ 斬、
主要キャストも少なく、ほんとにミニマムな話。
でもキャストそれぞれがどっかの〝国〟のようにも見えるスケールの大きさも感じる。
戦争オッケーの国、戦争できるようになりたい国、反戦の国…。


❸ 愛と法
2人が弁護する事件が興味深いし衝撃を受ける(こんなことがまかり通ってんの(怒)!と)し、2人や周囲の人のキャラも良く、カメラとの距離も良い。
説教臭くも辛気臭くもなくて全体的にポップなのも大きな魅力。



❹ 体操しようよ
ヘーボンな映画だと思ってるでしょ!否!
大団円のシーンでは終わらずその次に来る強烈な孤独を描くんです。真っ暗で耳キーンなるほどの無音の一夜。
からのラジオ体操。
新しい朝が来た 希望の朝だ♪
そういう映画だ!


❺ 万引き家族
悪者を決めない映画。
各々の事情が見えると誰が悪いのか決めにくい。
一番悪いのはDV夫?と思うけど、もし彼も子供の頃虐待を受けててっつー話があったら…。
異常を察してながら見逃してた柄本明は?正論責めの池脇千鶴は?


❻ かぞくへ
演技とディテールの素晴らしさですよ。俳優さんたちが台本の外まで埋めて演じてる。
あと、電子レンジの低さ。。電子レンジを一番下に置きますかね。
あのリアルさ。入れにくいし出しにくいでしょ。理屈が通らないリアルさ。。


 ❼ カメラを止めるな!

おのれを止めるな!

某雑誌の副編集長が笑いながら
「フクイ君は人気イラストレーターで3ヶ月待ちだから〜(笑)」
と〝3ヶ月待ち〟という事実がないことが絶対わかっていながら、
地獄みたいな嫌味を言ってきたとしても、止めるな!


❽ 菊とギロチン
素晴らしい韓英恵!爆発してますね。
サイコパス俳優として(褒めてます)激進中の東出昌大。
木竜麻生がこの映画に涼しい風を吹かせてます。
コツコツ場数を踏んできた嘉門洋子が開花!
宇野祥平さんが金持ち役なのが面白い(失礼)。


 ❾ 勝手にふるえてろ
邦画の主人公はだいたいアパートの二階に住んでるけど、この映画では一階。 「勝手にふるえてろ」主人公はそう言って初めて自分から他人に飛び込む。
怖気付いて閉じこもってる今までの私はそっちは勝手にふるえてろ。
これからの私は先行くから!

てことかな。


➓ 焼肉ドラゴン
在日コリアンの話をこの豪華キャストで映画化したことにまず大きな意義がある。
稀代のスター大泉洋。大河主演女優の井上真央。さらに真木よう子ですよ。
宇野祥平さんの貧乏人役はさすが!
キム・サンホの「リヤカー、カエシテクルー」。 全体的にちょっとクドいのが残念。