映画「マイ・ブックショップ」 ネタバレ





マイ・ブックショップ

素晴らしい。びっくり。マジでびっくりしました。

普通の映画だなと思っていたんです。途中まで。

権力を持った愚かな悪が
「わざわざ波風立てることないじゃないですかぁ」っていう無責任な民を従えることに成功したら
こんなにおそろしいことになるのか。。

小さな書店の運命やいかに。。。。。。。。。


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四コマ映画「マイ・ブックショップ」 → http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2252


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小説原作っぽい雰囲気もありつつ、
イギリスの港町の映像、本と本屋の映像がとにかくすごく美しくて、
本はさすがにメインテーマだけあってほんとうにに美しく撮ってる。

本の包装紙を開けるシーンの素晴らしさたるや。

宝物以上のものを開けるドキドキワクワク感。
紐が解かれる音。紙が広げられる音。
素晴らしいですよ。

でも、話は普通だなと思っていたんです。
これでゴヤ賞三冠かぁ。なぜだろうと思っていたんですが。

びっくり展開。おっとネタバレ厳禁。


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撮影も素晴らしいけど、演技もすごい。

ラースと、その彼女』でライアン・ゴズリングの義姉を演じたエイリー・モーティマーが今回も良い!声がいいんですよね、この人は。

で、同じく『ラースと、その彼女』でライアン・ゴズリングの主治医を演じたパトリシア・クラークソンさん。
今回は悪役です。
素晴らしい悪役ですけど、やはりこのクラスの演技派が演じると深みや哀しみも帯びてくるので映画が多面的になります。

そして、ビル・ナイ。 ビル・ナイが普通に真面目な役をやってるのを初めて見ました。。だいたいコメディのイメージなので。。
しかしハマりますね。渋い。渋すぎる。カッコイイ。


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ラスト。

書き割りのように存在していた「名もなき市民」たちがカメラ目線でジッと観客の方を見てきます。

「お前だってそうだろ?」と。

恐ろしい映画でございました。。



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四コマ映画「マイ・ブックショップ」 → http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2252


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以下ネタバレ










当然ラストは本屋は無事継続できることになって、ガマート夫人は没落して一件落着!かと思ってずっと見てましたよ。。

まさかの本屋閉店。。何この映画。。

で、どういうわけだか女の子が店を放火しちゃう。
その炎を見ながらフローレンスは船に乗って街を出る。。

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何も考えずに傍観したり同調したりしてたエキストラみたいな町民がカメラ目線でこっちを見てきてましたね、ラスト。

「お前もだろ」ってことですかね。
お前だって傍観者だろと。

はっきりとした意志を持った映画でしたね。

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で、ナレーション。

ナレーションいらないな〜と思ってたんですが、これが店番やってた女の子でしたね。
成人して、フローレンスさんの意志を引き継いで本屋を営んでいる。
彼女の勇気は滅びずに繋がれていったのでした。