映画「アメリカン・アニマルズ」

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)




実際にあった、大学生4人による稀少本強奪事件を、本人たちの証言を元に映画化。
若手実力派たちが演じるし、本人たちのインタビューも挿入されるというかなりの異色作です。


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四コマ映画「アメリカン・アニマルズ」→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2297


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音楽も映像もカッコイイ!
演技も素晴らしいので、自分がこの4人の仲間になっちゃったような気分で観れました。

そうするとホントに怖い。。
取り返しのつかない方へ、〝向こうへ〟行ってしまう瞬間の、あの恐ろしさ。。


途中で一回、映画が終わりかけるんです。
僕はあそこで終わったとしても十分面白かったし
それはそれでなかなかに強烈なメッセージを発すると思って
「イイよ、ここで終わっても!」と祈るように観てましたが、、
終わらないんですね。。

実際の事件ですからね。。。

本当に恐ろしい。。


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ご本人4人の証言が食い違う箇所もあるんだけど
そこもそのまま映像化。。

だから「真実に基づいた物語」ではなく「真実の物語」。

記憶が曖昧なら、そのまま曖昧に描く。このリアリティ。


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愚かしいんだけど彼らにとっては切実な渇望が、
この犯罪を引き起こす原因なわけだけど
正直、すごく理解できる。

4人っていうのも最もちょうどイイ人数だったのかも。

5人だったら多すぎて意見が分かれて空中分解したかも知んないし、
3人だと一人一人の荷が重すぎて途中で潰れていたかも知れない。

4人という人数はスムーズにことを進められる人数だし
責任をちょうどイイ感じ分担できたんだと思う。


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この実話としての重さや身につまされる感じもこの映画の魅力だけど
撮影もすごく工夫してあって、

ひとつの会話をしながら
車の中、店の中、そして車の中に戻る、と場所を変えていく。

観客が飽きないという利点もあるけど
多分「記憶の曖昧さ」の表現かなと思いました。

撮影方法が映画の内容と合致していて、監督素晴らしい。


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で、何より素晴らしいのは
「アメリカの鳥類(American Animals)」に描かれている鳥の絵。


彼らにとってはマクガフィンでしかなかったけど
この鳥の絵がどれも本当に素晴らしい。

実物大に精巧に描かれてるんだけど迫力がものっっっすごい。

映画の中も頻繁に出てくるけど、
この映画の中の要素の中でこの鳥の絵が一番素晴らしい。
ちゃんとそうなるように撮影をしてる。



「自分たちは特別じゃない」と思っている学生4人と
あっっきらかに特別な存在に見える鳥たちが強い対比になってる。
完全に素晴らしい!


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四コマ映画「アメリカン・アニマルズ」→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2297