ネタバレ/コーヒーをめぐる冒険(2012年製作の映画)

オシャレなモノクロ画面でエスプリの効いた会話劇が続くオシャレ風味映画、
という外ヅラにしているのも意味があるのだと思います。
結構な風刺映画だと僕は考えます。

主演はオシャレイケメンのトム・シリングですが
彼は結構ずっとナチス映画にメインどころで出演してきた俳優です。
顔の美しさに頼った俳優歴ではないのです。

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この『コーヒーをめぐる冒険』でも
劇中劇としてナチスが出てきますし
終盤には戦争でトラウマを負った老人が出てきて映画の雰囲気をガラリを変えます。
「本気になるのって寒くな〜い?」ってな顔してる若者をトム・シリングがただ単純に演じるわけがない。
薄っぺらくモラトリアムを生きてきた若者が
いろんな人との巡り合わせて、自分の人生に立ち向かう覚悟を決める物語です。

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『50後のボクたちは』『ソウルキッチン』『ノンストップ・バディ 俺たちには今日もない』『コーヒーをめぐる冒険』『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』


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ネタバレは以下に。






主人公ニコ。
朝チュンの後、出かける準備。
彼女のことなんでどうでもいい。
それに気づいた彼女。
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運転適性診断室へ。
飲酒運転したことで免停になっていたが
免停の取り消しを訴えに来た。
が、担当医が嫌な奴で
ニコを「精神不安定」を決めつけて免停は継続。
車の運転が引き続きできない状態に。
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コーヒー屋に行くが、手持ちのお金がなくて払えず、飲めない
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ATMで金を下ろそうとしたが、カードが出てこなくなって金も引き出せない。
(その前にホームレスに恵んだ小銭をやっぱ返してもらおうとするも、それを街の女性に見られてて断念)
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マンションの上の階のカールが部屋に来る。
妻が作ったミートボールをニコニ食わす。
カールが持って来た酒を一緒に飲む。
カールはヘルニア。妻は乳ガンで全摘。
カールはひとしきり泣いて、満足して部屋を出て行く。
ニコは残ったミートボールをトイレに捨てる。
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友達の売れない俳優マッチェから電話。
マッチェの車でカフェに。
マシンが壊れていたここでもコーヒーが飲めない。
学生時代のクラスメイトの女性登場。
昔は太っていてデブリカと呼ばれていたが、今は美人に。
彼女は今夜、劇場でパフォーマンスをするというので、それに行くと約束。
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マッチェは撮影スタジオへ行く。
マッチェは知り合いの売れっ子に
「なんか役余ってない?」と仕事をねだる。
撮影開始。
ナチの将校とユダヤ人女性との悲しい恋の物語。
スタジオ内にあるポットにもコーヒーが入っていなくて、ここでもニコはコーヒーが飲めない。
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ゴルフ場で父と会う。
「ムカつく奴の顔を思い浮かべながら打つんだ」と父に打ち方を教わる。
ニコは父の顔を思い浮かべながら打つ。
「2年前に退学してただろ。この2年オレがお前に送ってやった学費はどうした?
オレはお前の習い事のために毎日働いて来た。忙しくて考える暇もなかった。お前の講座は凍結した。仕事を探せ。援助は打切りだ。これは親心だ」と父。
ATMで金がおろせなかったの父の仕業だった。
父は数枚の紙幣をニコニ渡す。
「これで仕事を探せ」
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駅の券売機が壊れていて切符が変えず、切符のないまま電車に乗ったら、キセルだと言われ連行されそうになる。
走って逃げて、別の電車で無事帰宅。
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マッチェと一緒にマルセルの家へ。
若者がたむろする家。
なんか話すくてヤバそうな仕事をしてるマルセル。
マルセルのちょっとボケたおばあさんはニコに親切にしてくれる。
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デブリカが出演する劇場へ。
かなり前衛的なダンスを見てマッチェが笑いを堪えられない。
それを見て他の観客は怒っている。
終演後、演出家や出演者がマッチェを攻める。
ニコは「勇気がある。僕にはできない」とデブリかに言う。
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ニコとデブリかはいい感じに。
トイレでセックスを始めるものの
「デブ女とやりたいって言って!大声で!」とデブリカに懇願されて
ニコは萎える。。
今は美しくなったデブリカだが、今だに過去の自分から抜け出せていなかった。
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大人っぽいオシャレバーに行くニコ。
酔っ払いの老人に絡まれる。
「子供の頃、父に石を握らされた。窓ガラスに石を投げた。この店の窓を粉々にした。火事が起こって炎が明るくなった。通りはガラスだらけ。オレは悲しくなった。ガラスだらけの道じゃ自転車に乗れないからだ。オレは自転車に乗れなくなるって泣いたんだ」と老人。
老人は店の外に出た途端倒れる。
ニコが病院へ連れて行き、待合室で朝まで待っていたが、老人は死んでしまう。
他人であるニコは老人について教えてもらえない。
「せめて名前を」
「フリードリヒさんよ」
***
朝の光の中、カフェでコーヒーを飲むニコ。
(いろんなことがあった1日を経て、やっとコーヒーを飲む資格のある大人として認められたニコでした)
終わり