「音声ガイド」付き映画ってなに?



視覚障害(障がい、障碍)のある方でも映画を楽しめるツールが「音声ガイド」です。この「音声ガイド」があることで視覚障害のある方でも、劇場で他の観客と一緒に観たり、良い音響で楽しんだり、上映中の話題作の感想を家族や友人と語り合ったりできます。

音声ガイドと日本語字幕のついた映画は2016年には7作だけでしたが、2017年には60作にものぼりました。総務省による普及努力義務も後押しとなっています。今回は、視覚障害者のためだけではない、映画の新しい楽しみ方としての「音声ガイド」の魅力を紹介いたします。

1. 音声ガイドの基本
2. どうやって制作されるの?
3. 体験してみた!
4. 体験してみよう!
5. 音声ガイドが拓く映画の可能性

「音声ガイド」付き映画ってなに?体験&徹底調査!視覚障害者のためだけではないその可能性を紹介 | FILMAGA(フィルマガ) https://filmaga.filmarks.com/articles/2022





映画『万引き家族

安易なオチに連れて行かない映画『万引き家族』(2018年製作の映画)


"端正な作りの映画"ではないと思います。

どこに焦点が当たっているのかがわかりにくいので、
散漫な印象はあります。

これが計算でやったことなのかはわかんないんですが、
覚悟の上だったということはキャスティングから予想できますね。

ほとんど血縁のないこの6人の〝家族〟自体が事情を抱えすぎだし、それぞれの関係性も明瞭ではないので
いろんなことが気になり、引っかかったまま、話は進んで、
そんな中で、
ほとんどワンシーンしか出てこない役に
柄本明、池脇千鶴、高良健吾、緒形直人、森口瑤子、池松壮亮を置いているので、「多い多い多いっ!」と思います。

これは多分「焦点を絞りたくない」という意思の表れではないかと。

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四コマ映画『万引き家族』→→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2050

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これだけ人数いてそれぞれに事情があると「誰が悪いのか」を決めにくい。

一番悪いのはDV夫の山田裕貴かな、とか思うけど、全然描かれないのでそう思いにくいし、しかももし山田裕貴自身も子供の頃虐待を受けていて…なんてエピソードがあったとしたら、もうただの加害者じゃなくなってしまう。

異常を察していながら見逃していた柄本明だってどうなの。

池脇千鶴が持っている価値観こそが遠回しにたくさんの人を苦しめて来ていただろうし。

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「何が良くて何が悪いのか」をとにかく明確化した昨今。
悪いことした人にはとにかく謝罪させたい昨今。

この『万引き家族』という映画(タイトルからして)を毛嫌いする人もいるのもしょうがないし、この映画が引き起こしている波紋こそがこの映画の価値(勝ち)なのかも。

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黒澤明『羅生門』のようなひとりひとりの〝供述〟が後半続く。
それによって〝事件〟の全容が明らかに。

明快じゃなかった6人の〝家族〟の繋がり(or繋がりのなさ)もやっとわかります。
誰の視点で語るか、それによってこの家族の形も変わって見えます。

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四コマ映画『万引き家族』→→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2050

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ネタバレは以下。







「血縁に疑いをかける」映画ではあるけど、「血縁なんてなくてもオールオッケーだよね!こんな家族素敵だよね!」などというスッキリした感想を持たせてくれない。 
リリー・フランキーと安藤サクラ夫婦は相当な犯罪者だし、子供のことをちゃんと考えているとは思えない。
この映画を万引き礼讃とか犯罪促進映画とか言ってる人はどうかしてる。全然そんな映画じゃないじゃん。



ケイト・ブランシェットが嫉妬したという安藤サクラの泣き演技。これかぁ、と。それを観に行ったようなものですからね。

とにかく流れて来た涙をすぐに拭く!
これ見よがしに涙をホロリと流したままにしたりしない。
涙出たハイ拭く!出た拭く!
確かにこんな泣き方観たことない。

私は泣いてない。悲しくなんかない。そういう泣き方かな。



松岡茉優だけ異質でした。あのテレビCMのままの笑顔があの中では異質。「ダメじゃ〜〜ん」と思っていましたが、あの子だけはあの家族に溶け込んでいなかったんですよね。おばあちゃんがいるから来てたけど実はそのおばあちゃんも金目当てだったっぽいし。

あの武装のような笑顔も演技だとしたらすごい。
けど、単なる偶然のような気もする。。

『菊とギロチン』

『ロクヨン』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『友罪』の瀬々敬久監督。
ヒット作も多く監督としての地位を確立している瀬々敬久監督だけど、今作はインディーズ体制での映画作り。

企画が企画だけにお金が集まらない。。でも、監督への信頼からスタッフや俳優は一流どころがザザッと集結。
撮影し完成したものの配給宣伝費がもうない。ということでクラウドファンディングで資金を募っている最中(https://motion-gallery.net/projects/kiku-guillo)。

「そこまでにする必要ある?」と白い目で見られることもあったでしょう。そうまでしてこの映画をなぜ撮りたかったのか。

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そもそも30年前に撮りたかったと。しかし時期尚早ということで先に、4時間38分の『ヘヴンズストーリー』を先に撮った。(4時間38分て。。やっぱちょっとおかしい監督なんですね。。)

2011年に東日本大震災。社会の空気が変わり戦争へ向かっていく雰囲気も増している。
「これは今の社会の空気が関東大震災後の戦争へ向かう雰囲気に似ているのではないか、次回作はこれではないのか」とのこと。

映画と時代が合致しているから、というのもあるんですが、それだけじゃなくて、
瀬々敬久監督自身が、映画で何かを変えたいと思っていた若い頃に立ち返って「自主自立」「自由」というお題目を立てて映画を作りたかった、と。

自分はこういう映画を作りたかったんじゃないか!ということで入魂怒涛の189分『菊とギロチン』へ向かったということですね。

やんない方が楽だしやんなくてもいいんだけど、やるなら今しかないと撮影したこの映画は、現代日本にピッタリとブッ刺さる強烈な映画になってます。

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四コマ映画『菊とギロチン』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2040

『菊とギロチン』。菊は「女相撲」を表してて、「ギロチン」は実在のアナキスト集団ギロチン社のこと。
189分あるだけに中身ギッシリなので、四コマでは「女相撲」のことだけしか描けませんでした。。

こういう映画を見ると四コマなんて描いていて虚しくなる。。
もう全っっっ然四コマには描ききれてない。。

僕はこの映画を消化するのに本当はあと半年はかかると思う。それくらいの映画。

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役者の演技も全員入魂で素晴らしい。

■何と言っても先ずは韓英恵。まだ27歳なの?爆発してますね。これで助演賞獲らないわけがない。もう今の時点でもあげてもいい。

■稀代のサイコパス俳優として(褒めてます)大躍進を遂げている東出昌大が狂気のアナーキストを演じてます。ピッタリ。

■朝ドラ女優顔の木竜麻生がこの映画に涼しい風を吹かせていますが、この役が背負っている現実がまた苦しい。

■女優へ転身して小さな映画でコツコツ場数を踏んできた嘉門洋子の踏ん張りが開花しました。しかも抑えた演技で。素晴らしい。

■宇野祥平さんが金持ち役で出ているのがおかしくて、ちゃんと金持ちボンボンにも見えるところがさらにおかしい。

■大西信満さんが怖い。よくここまで入り込めるもんだ。役から抜け出せてるのか心配。。




四コマ映画『菊とギロチン』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2040

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女相撲は興味深い。
女相撲に横綱はいない。「男に気を使って」大関が最高位。
でも、昭和32年に高砂親方(39代横綱前田山)は敬意を払って名大関だった若緑を男土俵に上げている。現在に至るまで男土俵に上がった女性は若緑のみ、とのこと。

てことは、先日の救命はそれ以来となりますね。


以下ウィキペディアの「前田山 英五郎」からの転載です。

反骨心あふれる精神は、相撲界の伝統にも向けられた。女相撲の花形力士として人気であった若緑は戦争の影響で24歳の若さで引退せざるを得なかったが、同時代に活躍し、親交のあった前田山は花道を飾ろうと1957年に彼女の地元である松山の巡業で引退相撲を開き、土俵上で若緑とともに挨拶を行った。若緑は当初「皇后陛下ですら許されないのに、恐れ多い」と女人禁制を理由に固辞したが、前田山は「女人禁制など時代遅れだ。日本の封建時代は今度の戦争で終わったんだ」と重ねて説得して実現にこじつけた。当日会場は女人禁制が破られたことにざわめきが起こったが、若緑をたたえる掛け声が飛び出すなど、温かい雰囲気の中で引退相撲は行われた。その後も若緑は女人禁制を尊重し二度と土俵には上がらなかったが、そのことを思い返す時は嬉しそうにしていたという[23]。