セッション、忘れてた。
セッション。ドラムのやつ。
ストーリーもたしかにあります。
あるんです。
最後のシーンで「だから邦題はセッションなんだね」ってわかるようなストーリーがあるんですが、この映画のキモはストーリー
ではないですね。
ではないですね。
指揮者の恐怖とドラムの迫力と映像の新しさ、ですよ。奇跡ですよ、こんな映画が成立するなんて。
だから、よくこの映画の企画が通ったもんだと思いました。
いくら脚本や企画書がよくできてても、「むりむりむり〜」って言われそう。
実際、短篇を作ってみてそれで資金集めたみたいですね。
映像にしてみないと、誰も信じられなかったんでしょうね、この映画が成立するなんて。
ギリギリまで狂気を高めて行って一体どんなラストにするのか、人生において何が勝ちだと提示するのか、じりじりする思いで観ていたら、最後はニヤリ。
芸術のために不幸になることで悦に入る人も多いけど、それも芸術のひとつの役割なんだろうなぁ。
誰の役にも立たず誰も幸せにも不幸にもせずただその人がやりたいことをやりたい分だけやってるだけであっても、その人に生きる理由を与えている「芸術」ってほんとに素晴らしいものだなと再確認しました。
芸術は人間が生きる理由のひとつなんですね。