【遡ること8年前 〜前回の個展〜】
【2020年頃からのコロナ禍】
【そういえば20周年が来る】
【デザインフェスタギャラリー原宿】
【漫画】
【漫画 主人公D】
【漫画 暗喩】
【漫画 おっさんC】
【FUTURE SCAPE】
【漫画 ラスト】
【漫画 ミニマム】
【漫画 下書き】
【デジタルイラストを生で】
【20年の流れをザッと】
【四コマ映画の〝存在しない映画〟】
【クリエポブース】
【インスタ広告からの若者たち】
【フクイ図書】
【最後に】
全っっ部作品に落とし込んでありますが、やっぱり全部書き記しておきたい。書きます。
【フッ展の意味】
長い準備期間を経て個展の3日間に頂点が来るように。
この3日で沸点に達しますように。
という願いも確かにありましたが、
どちらかというと
「フッと吹かれて消えてしまうくらい危ういイラストレーターという存在」のフッの意味です。
【遡ること8年前 〜前回の個展〜】
2016年1月に個展、経堂コメディ映画祭(という名のイラスト展)を開催しました。
架空の映画のポスターを描いたりあらすじ漫画を掲示するという謎の展示でした。
この個展が契機となって映画イラストの仕事が初めて来まして、映画は大好きでしたが自分のイラストで映画の仕事ができるなんて1秒も考えたことがなくて、未来は真っ白なページだなぁと思いまして、四コマ映画 をスタートしました。
四コマ映画を機に他の映画イラストの仕事も増えていきました。
四コマ映画は基本ネット上で発表するものです。
僕の個展なんてお客さんは来て数十人。それ以上広がりにくいものです。
でもネットであればすぐに数百、下手したら何十万、何百万の人に見てもらえます。
ネット上だけでいいじゃん。
リアルイベントとかもう古くない?ってことで「僕はもう一生個展とかやらないんだろうな」と思ったのでした。
【2020年頃からのコロナ禍】
コロナ禍を理由にイベントがなくなればその宣伝媒体も動かなくなる。「今出版してもねぇ」ってことで延期になってそのまま立ち消えした案件もいくつかありました。
さらに2〜3年かけてやっていた学参の仕事がちょうどその頃完了したのもあって、マ・ジ・で仕事がなくなりました。貯金もマ・ジ・でなくなりました(割と貯金してたんですけど…)。
それで初めてクリエイターEXPO に参加しまして徐々に経営状況は上向いていきました。
そもそも僕はネット経由で仕事が来ることがあまりないし、イラストレーショ◯ファイルの書籍&web版に載せた時も無風。営業が全然うまくいかない。。
やっと出会った結果の出る営業方式がクリエイターEXPO。
リアルイベントだったのです。
出展している他のイラストレーターさんたちとの交流も楽しいし勉強にも刺激にもなりました。
その後Withコロナの時代に入り、イラスト展なども解禁され、イラストレーターの皆さんが展示をやり始めました。
「個展とか良いなぁ。でもおれは個展やんないしなー」などと思い始めました。
【そういえば20周年が来る】
2022年頃。
クリエポで自己アピール文を書く機会が増えて、自分のことを見つめ直している最中に気づきました。
あれそろそろ20周年じゃね?と。
フツフツと湧いていた個展欲。
しかし8年(当時は7年)も個展をやっていない。
普通生きてて個展やらない訳で、もう個展をやる体じゃないのに
「イラスト描きました!どうぞ見に来てください!」なんてことができるわけがない。イラスト描いたから見に来いってどんな主人公感なんだよ、と。
しかし、20年やってきたんだから何かしら人様にお見せできるものが作れるのではないか、いやむしろ作れるべきでは?と思い、個展開催の方面に舵を切りました。
友人にこの話をすると「絶対やるべき」と何度も背中を押してくれました。感謝感謝です。そのプッシュがなければ無理でした。
【デザインフェスタギャラリー原宿】
やるなら会場はデザフェスギャラリー。デザインの専門学校が渋谷にあったこともありデザフェスギャラリーは在学時代からグループ展を何度もやりました。
一度、僕のイラストを好きじゃない人がやっているギャラリーで展示しちゃったことがありまして、結構不快だったので。。
今回はスタッフさんがうるさいこと言ってこないデザフェスギャラリー!
しかも思い入れのある「2ーA」の部屋。
【漫画】
based on a true story 事実を元にした物語です。
漫画『それって泣いてるってことですか?』
↑結果、このような漫画に仕上がりまして自分としては全てを詰め込めたので、実を言うと大満足の作品なのです。
ケアレスミスや下手なとこ、うまくいってないとこはあるんですが、それはしょうがないので、それよりも全部やり切れたことに満足しております。
今回の個展では今までやったことないことをチャレンジしようとうミッションがございました。
一つは長い漫画を描くこと。全26ページ。僕にとっては十分長い。
で、タイムループものをやりたい。
でも繰り返しのシーンは飽きるのでループしないタイムループもの。
主人公だけがタイムループして他はループを感知できない。読者も同じ。
そうすることで主人公がとても孤独な人になりました。。
当初は、僕とは関係のない物語にしようかと思ったのですが、20周年のまとめだし、
今までエッセイ漫画を描いたことが無い(今後も描かない)ので、自分の内面をさらけ出すような内容にしたいな、しなきゃなと思いまして、
自分を漫画の中に引きずり込みました。
タイムループのトリガーも僕にちなんだものは何かないかな。コマンドZがあるじゃないか!僕は毎日時間を戻していた!
そっから話を作っていって、ボツイラストというテーマも加わって、当初考えていたゴールはあのイラスト4人をストックイラストに登録する、というものでした。
ストックイラストに登録されれば世界中の人に使ってもらえて想像もしなかった媒体で活躍できるかもよ〜よかったね〜というラスト。
納得はしてなかったんですがどうせ誰もそんなに真剣に読まないだろうと、しばらくこのラストのままでした。
が、実際に漫画を描いていく中で、やっぱこの話は僕の今の話だと気づきまして。
僕の写し鏡である主人公のDが「逃げんじゃねーよ」と語りかけてきたわけです。
そもそも。
僕はイラストだけをドーンと掲示する自信がなかったんです。
なんか動かしてみたり、話を作ってみたり、架空の映画だってことにしてみたり、ごちゃごちゃした設定の中のイラストばかりを個展では描いてきました。
ただただイラストを描く自信がない。みなさんはそれをやっているのに。。
今回も逃げてまた漫画だのストックイラストだの、Capcutで声つけたりiMovieで動かしたりわざわざ著作権切れの音源を探してつけてみたり。
それはそれで良いんだけど、「1枚くらい描けよ」と自分で思いまして、、それをこの話の頂点にもってきました。
【漫画 タイトルの意味】
漫画のタイトル『それって泣いてるってことですか?』は、イラストの〝記号性〟についてのものです。僕が描くキャラクターの目は丸。
その丸の下に水色の楕円形を置けば泣いている表現になってしまう。
記号は便利だけど危険性も孕んでいると思います。
女性を描くとき僕は目にまつ毛をつけています。髪もセミロング以上のものがほとんど。
最大公約数の〝らしさ〟を利用してイラストを描くことで、〝らしさ〟を固定する役目も担ってしまう。
それにあらがいたい気持ちはあるけど全っっっっっ然できていない。。
記号性から背くことでイラストとして機能しなくなってしまったら、、イラストレーターとしてどうなのよ、、と思うし。。
そういう逡巡の気持ちが込めたタイトルです。
記号は便利だけど危険性も孕んでいると思います。
女性を描くとき僕は目にまつ毛をつけています。髪もセミロング以上のものがほとんど。
最大公約数の〝らしさ〟を利用してイラストを描くことで、〝らしさ〟を固定する役目も担ってしまう。
【漫画 主人公D】
主人公Dは僕自身だろうな、僕はDに自分の考えを言わせていくんだろうなと思いました。
するとDは「誰にも理解されない世界でずっと独りだった!」とか「なんでイラストが物語よりも劣ってるって思ってるんだ」とか「音楽つけたり、動かしたり見苦しい!」とか「同じとこクルクル回ってる気がしてるのはアンタだろ!」と僕に言ってきました。
そのDの言葉を受けて僕は一枚絵を描く覚悟を決めて描いたわけでございまして、つまりこれがこの漫画の主な話です。
僕があの一枚絵を描くまでの話、でした。
で、僕はなるべく登場人物たちには自由に勝手に動いてほしいと思ってました。しかし、漫画を描く能力がやっぱ低いのでどうしても話を進めるための行動をさせるばかりになりました。
しかも当然ながら結局は全部僕がひとりで考えて描いただけであって、AもBもCもDも所詮イラストでしかなくて、当然ながら動けも喋りもできずただずっとそこにあるだけ。
今回は僕の「自分が描いたイラストと会話したい」「自分が描いたイラストに認めてもらいたい」という気持ちを昇華させるために、彼らは動いている風にさせられただけ。
で、終盤で僕が心を決めてイラストを描きに現実世界に戻ったら、Dの役目は終わり、またただの1秒も動かないイラストに戻ってします。
(いや、そもそも動いてなかった。だってイラストだもん)
【漫画 暗喩】
この漫画には暗喩が多く含まれます。
chapter1のラストのコマの「変わるまであきらめない!」でそれを提示したつもりです。
【漫画 おっさんC】
おっさんCってのは僕が言われて腹が立つことしか言わないキャラクター。
chapter1の「仕事中に泣くなんて気合いが足りん!」もほんとは「男のくせに」を付けたかったんですが、
漫画を全部読めばおっさんCのキャラを理解できると思うけど、ここだけ切り取られたら怖いと思って「男のくせに」は消しました。
ていうくらいにダメなことを言ったり理解できてなかったり腹立つことを言うキャラ。
そいつがずっと言ってるのは「手描き」。
僕はパソコンで描いてる人間なのでそれこそ20年前からずっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっと
「手描きはやらないの?」「やっぱ手描きだよね」「パソコンで描いてんの?」などと
ずっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっと言われてきました。
そう言ってきたヤツを誰ひとり殴らなかったのでノーベル平和賞が欲しいんですけど、
実は近年はあまり言われなくなってました。
プロクリエイトとか出てきて、手描きの概念もぼやけてきてますし、若い人はベジェ曲線に対する蔑視の気持ちもあまりなさそう。
なので、おっさんCに「手描き手描き」言わせるのはちょっと古いのかもな〜と思いつつも、でもやっぱ腹立ててきた歴史もあるので言わせました。
そしたら個展開催前に数年ぶりに言われました。
「手描きはやらないの?ホントはできるんだよね?手描き」と。
なんか哀れな者を救うみたいな空気感で言ってくるんですよ。
これは完遂しなければと思いまして、「手描き手描きうるせえな!」と叫びました。
そう言ってきた方が個人的に憎いわけでは全っっっっ然ないんですけど、、事実として手描き手描きうるせーのでうるせーって叫びました。
ちなみにこの漫画での好きなセリフは「郷に入らずんば大海を知らずとはよく言ったもんだ」と「ずっと何やってんのかよくわかんなかった」。
どちらもおっさんCのセリフ。
【FUTURE SCAPE】
この漫画のカタルシスとなるイラスト。このイラストを見て「あ〜なるほど」と読者の皆さんにわかってもらわなければいけない。
そのプレッシャーもありましたけど基本的には描いてて楽しかったです、とても。
普段仕事では意味のあるものしかほとんど描かないんですけど、意味のない、だから何なんだ、それがどうしたみたいなものをひたすら描いていきました。
また、漫画の登場人物4人を登場させたわけですが、彼らだけの世界だとそれもちょっと狭い。
なのでよくわからない生き物も加えました。
僕にもよくわからないのですがどうやら彼らはこの世界にいるっぽいですね。
そしてAもBもDも彼らの存在に気づいていないっぽい。
おっさんCだけは目が合っているので気づいたっぽい。
【漫画 ラスト】
ラストはイラストたちがパソコンの中から僕を見ているというシーンです。
当初、イラスト4人が僕の働く姿を見てコメントしていくという風にしていました。
「ペンタブ使うんだ」とか
「下書きをスキャンしてる」とか
「パスタって何?」とか
「なんか英語教材のイラストで見たことある。細いなんかの集合体」とかを言い合ってそのまま終わり、という感じ。
それまでも喋り倒してきてラストもベラベラ喋るのもなぁと思ったし、
この漫画をSNS上で〝連載〟している間、な〜〜〜〜んのリアクションもなかったんです。
いいねもリポストもほぼない。
感想コメントも全然ねえ。
正直辛くて辛くて電車に◯び◯まないよう心を強くしようと思ったくらいに苦しい状況の中〝連載〟をしていました。。
何のリアクションもないという最大のリアクションの中で描き続けることによって磨かれた部分も大きくて、
それが一番大きく出たのがラストの変更。
セリフを全部消しました。
もういい、と。
わかりやすくなんてしてやらない。
どういうことなのかわかんない人もいるだろうけど、知らない。
【漫画 ミニマム】
イラレだのベジェ曲線だの、そもそもわかんない人にはわかんない設定の中で、ラストも全然親切じゃなくなった。
でも、個展に来てくれたお客さんが実は漫画〝連載〟を読んでくれていて「すごい面白かった」と言ってくれたり、
会場で改めて漫画を読んで、ここが良いあそこが良いとかなりの熱量で話してくださる方が多くて、もうね、嬉しいが過ぎる。
ミニマムな話であればあるほど広く受け入れられるテーマになりうる、というのは映画を観ていて感じることではありましたが、まさか自分の漫画でそれが起きるなんて思っていなかったです。
自分が自分の創作物を信用できてなかったんですね。
あ、でも僕はずっとこの漫画傑作だと思っていました。
SNSでは総シカト(僕の体感では)されてた数ヶ月間もずっと「絶対に面白い」と思えていたし、実際そうだと思うし、感想をいただいて「だよね」と思っています。
【漫画 下書き】
今までやったことないことしようの一つとして「下書き」を展示しました。
僕の下書きに価値なんてないと思っていたし、
個展で下書きを展示するイラストレーターに対しては嫉妬の気持ちを抱いていたくらい。
今回の漫画の下書きが妙に綺麗に残せたのと、出来上がりと比べてみたら面白いかなと思いまして。
そしたらことのほか下書きに興味を持ってくださる方が多かったですし、仕上がりとほぼ変わらない下書きであることに驚いてくださいました。
僕は下書きをとても大事な工程だと考えていて、シャーペンによる手描きの下書きの勢いをなるべくイラレ上で殺さないようにイラストとして仕上げることを目標にしています。
下書きを見ることでそのことを理解してくださったのが嬉しかったです。
別に僕は手描きを憎んでいるわけではなく、一工程としての手描きの重要さはめちゃくちゃわかっています。
【デジタルイラストを生で】
そもそも「デジタルイラストはwebで十分」じゃなくて
生で観ることで何か新たな価値があるかもと期待してくれた(実際に来られなくても)全ての方に心の底の底の地球の反対ブラジルから感謝したいです。
デジタルだとしても作品に内包されている人間味みたいなものが、紙などの質感、物体感、手触りを介して漏れ出てくることを期待して、作っています。
実際紙に印刷された現物イラストを観て驚いてくださった方も多くいて、僕がうっすらと信じてきたことが肯定されたようで嬉しかったです。
僕自身が8年前には「もうwebのみの発表でいいじゃん」って思っちゃっていたのに、お客さんの方がデジタルを生で見る価値について知っていてくれたってのは、、、僕がお客さんを舐めていたし、自分の価値を下げてしまっていました。
【20年の流れをザッと】
2002年、専門学生時代に『DTP WORLD』にイラスト掲載されたのがイラストでギャラをもらった初めての経験でした。
2004年から2023年までの厳選したイラストをズラッと並べたコーナーです。
今回このコーナーのために今までの全.aiデータを見直したらマジでゲロ吐きそうになるほどに酷いイラストの数々。。
よくもまぁ気分良く描いた来たもんだと。。恐ろしいですよ。。
ま、最初から厳しい目を持ってしまっていたらイラストレーターになろうなんて思えなかったはずですからしょうがないんですけどね。。
その中でも今見てもまぁそこそこ大丈夫なイラストを選択して掲示しました。
そのせいか、割と全体的にそんなに大きな変化はないように見えました。
このコーナーで嬉しかったのは、お客さんがこれを見ながらご自分の20年について思い返して話してくれたことです。
また、僕の個展に来てくれてる人は「これ覚えてる。もう12年も前なの!?」と驚いてくれたり、自分事に引き寄せて感じてもらえたのが嬉しかったです。
【四コマ映画の〝存在しない映画〟】
四コマ映画BEST16のうち一本は僕が勝手に考えた〝存在しない映画〟。それはどれでしょう、というクイズ本でもあります。
あまりにも映画をたくさん見すぎてる人はタイトル一覧を見ただけで「これでしょ」と秒で当ててしまった。。
この存在しない映画もフッ展のテーマと響き合うものでなければならぬ、と思いまして、
漫画同様に作家が自分の作品の中に引きずり込まれるという設定。
また、「書く(描く)ことで現状を打破しよう」とする物語でもあります。
同時に、書くことで世の中を良くしようと戦っている人たちへのエールでもあります。
【クリエポブース】
2ヶ月後の7月にも クリエポ に出展するのでその準備ももうやっちゃって、どうせなら個展で出しちゃおうというコーナー。
こうやって必死に営業活動やってますよ、と。
思いの外、このコーナーが人気でしたね。
ファイルもみなさん熱心に見てくださいました。
【インスタ広告からの若者たち】
今回インスタに広告を出してみました。個展の前から3日間で8000円くらいかけて。
まぁインプレッションやフォロー数は増えたけどね、って感じだったのですが、
「インスタ広告を見て絶対来ようと思って来ました」という若者が数名いらっしゃいました!
「いつかイラストレーターになりたくて…」的な熱い気持ちと不安な気持ちを持った若者たち。
まさに20年前の僕なわけです。
今はネット上に「イラストレーターになるための20の法則!」みたいな記事がたくさん出ているけど、
こうやってちゃんと足を運んで、生で見て、本人とちゃんと会話をする必要性がわかっているという時点で、もう大正解です。大丈夫です!おじさん泣きそう。
【フクイ図書】
あとは、フクイ図書。
ここ1、2年のイラストが掲載された雑誌やパンフ、書籍などをテーブルの上に並べました。
僕としては普通のことなのですが、、僕が描いたイラストを普段SNSなどでしか見ることのない方にとっては驚きがあったようです。
特に蛍雪時代のモノクロの19見開きについてとても感心してくださったのが激烈嬉しかったです。
デザインの専門学校の同級生(現役デザイナーさん)が「考えられない…どういうこと…」くらいに若干引いてるレベルで激褒めをしてくれました。。
この仕事の凄さは自分でも自覚はしていますが、なかなか人には理解されないだろうと思っていました。
それをちゃんと感じ取ってくれたのが嬉しかったです。
見てくれる人、ちゃんとわかってくれる人がいるんだなと。
【最後に】
個展制作期間はホ・ン・ト・に・孤独でした。。
でも、ものすごく考えて準備したので出来上がったものについては何の反省も後悔もない、完璧なものになりました。
(細かなミスなどはあるけどそれはしょうがない)
これだけ完璧に準備をして、個展に誰も来なかったとしたら流石に立ち直れないじゃないかと怖くなりまして、1週間前には「いやだ!やりたくない!」ってなって下手したら開催中止の危険性さえ出てくる状態でした。
とはいえ、作品をギャラリーに配送して、それまで段ボールだらけだった部屋の中がスッキリし、何にもやることがなくなってからは心も落ち着いてきました。
繰り返し言いたい。「デジタルイラストを生で見ることに何らかの価値があるはず」と期待してくださったお客さん自体がやっぱすごいなと思うんです。
「SNSで見れるじゃん」「もう見たよ」じゃなくて、
生で見たらなんか違うんじゃね?って思って実際足を運ばれたわけですよね。
そしてそれくらいの感度ビンビンの方々なので、紙の質感、物体感、手触り、空気感。
加えて、僕本人の実在感などを全て加味してそれぞれ〝なんか〟を感じてくださいましたし、
ちゃんとそれを熱を込めて僕に感想を伝えてくださいました。
さすがに僕だってお世辞とか「一応なんか喋んなきゃ」みたいな空気はわかりますから。
(そういう方もいたし、全作品をスルーして一瞬で部屋を出ていく人もいっぱいいましたけど)
なんか言葉が湧き出るように話してくれる方が多かったのがホントに嬉しかったです。
なんかほんとごめんなさい、なんか奇跡的だなぁと思っちゃって。。
こんなことが起きるのかと。。
2024年5月なんて遠い未来だったのにもう終わってしまった。
次は30周年!