

ここは東欧の海辺の町。
10数年前までは漁業が盛んに行われていたが、いまでは少し寂れた小さな港町です。
この町の漁の花形といえばなんと言っても「大ダコ漁」でした。
危険をかえりみない潜水艦乗りたちが自分たちの誇りをかけて大ダコ漁に出向いていたのも、いまでは遠い昔の話。
20年前のグルー沖の事故をきっかけに大ダコ漁も衰退してしまいました。クプカさんはそんな大ダコ漁を復活させようと、自宅裏の工場に眠っているちいさな潜水艦の修理をはじめます。
まわりの人たちは、無謀だのボケただのと陰口を叩いていました。
周囲の冷たい視線にも負けず修理を終えたクブカさんにさらなる試練が。
「潜水艦を出航させるには乗組員7名以上が必要ですよ」と役場の職員が管告をしてきました。
20年前の事故をきっかけに法律が変わったのです。
安全のために潜水艦のひとり乗りは禁止になっていました。
クプカさんは「偏屈じいさん」(ほんとはそんな年齢じゃないのに)と呼ばれるほどの人見知りです。
誰もがきっとクブカさんは諦めるだろうと思いました。
しかし、クプカさんは地元のローカルテレビに取材してもらって大々的に乗組員の募集を始めました。
そのテレビ番組を見て、心を動かされたの6人がクブカさんを訪ねました。スナックで働いている美女。いじめられっ子で両親の帰りも遅い小学生の少女。筋肉はかり大きいと馬鹿にされている青年。その昔大ダコ漁で夫を亡くした老女。冒険心あふれる動物園のペンギン。そして、紙袋をかぶった謎の男。
大ダコ漁には完全に素人である彼らを仲間にして、クプカさんはいよいよ潜水艦で深い海の底を目指しますー。